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「出張の宿泊費、いくらまで出すべきか」——この問いが、いま多くの企業の総務・人事で再検討されています。きっかけは、2025年4月施行の旅費法改正と、ビジネスホテル価格の高騰です。本記事では、改正の中身・民間への影響・ホテル高騰の実態、そして長期出張で上限内に収めやすい宿泊手段までを簡潔に整理します。
2025年4月1日、国家公務員の旅費制度が約75年ぶりに抜本改正されました。主な変更点は次の3つです。
旅費法は民間企業が出張規程を作る際の参考基準とされることが多く、民間への波及が見込まれます。
※出典:財務省「国家公務員等の旅費制度の見直しについて」、改正旅費法(2025年4月施行/e-Gov法令検索)

改正後の上限は、地域(12段階)と職階で決まります。課長級以下は都道府県ごとに1泊8,000〜19,000円で、最も高い19,000円は埼玉・東京・京都に適用。同じ東京でも、指定職は27,000円、内閣総理大臣等は40,000円と職階で差があります。
ポイントは金額そのものより「考え方」です。すなわち、(1) 定額ではなく上限の範囲で実費を支給する、(2) 上限は地域の実勢に合わせて差をつける——この2点は、民間が自社規程を見直す際の基準にもなります。
民間の宿泊料支給はすでに実費中心です。財務省調査では、内国出張の宿泊料は「実費支給(上限つきを含む)」が67.7%、「定額支給」が28.9%。今回の改正とホテル高騰が重なり、2026年にかけて上限つき実費へ規程を改定する動きが本格化すると見られます。なお、より直近の民間調査(産労総合研究所「2025年度 調査」)でも、直近3年で国内出張の宿泊料を増額した企業が31.1%にのぼります。
※出典:財務省「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート報告書」(2023年6〜7月実施・2024年6月公表。上場企業3,000社対象/財務省による最新版)/IACEトラベル・プライムコンサルタント 各解説(2026年)
東京商工リサーチによると、ビジネスホテルの客室単価(3月期・8ブランド)は2021年3月期の6,180円から2025年3月期は13,930円へと約2.3倍に上昇。2025年7〜9月も14,040円と高止まりです。

客室単価が1万4,000円前後なら、1週間で約10万円、1か月(30泊)では約42万円。規程上限を1泊1万円前後にしている企業では、長期出張ほど上限を超え、自己負担や例外申請が常態化しかねません。短期の出張ならホテルで十分でも、長期では「1泊単価×日数」という料金構造そのものが重荷になります。
※出典:東京商工リサーチ「上場ビジネス・シティホテル 客室単価・稼働率調査」(2025年)
数週間〜数か月の長期滞在には、家具家電付きで日割り負担を抑えやすいマンスリーマンションが有力です。
| 比較軸 | ビジネスホテル | マンスリーマンション |
| 向く期間 | 数日〜1週間 | 数週間〜数か月 |
| 1泊あたりの負担感 | 高い(単価×日数) | 抑えやすい(日割り) |
| 初期費用・契約手間 | 不要 | 原則不要・短期契約可 |
| 家具家電・ライフライン | 備付 | 備付・開通済 |
| 規程上限との相性 | 長期は超過しやすい | 上限内に収めやすい |
都内1Kを日割り8,000〜10,000円と想定すると、30泊で約24万〜30万円。ホテル(約42万円)と比べ、長期になるほど差が開きます(試算例)。加えてマンスリーは家具家電やライフラインが整い、到着初日から生活を始められます。長期滞在では住環境の質が社員のコンディションや定着にも関わるため、コスト以外の価値も見逃せません。

長期出張の宿泊費を最適化する鍵は3点です。(1) 上限の根拠を地域別の実勢価格に紐づける、(2) 一定期間を超える滞在はマンスリーも可と規程に明記する、(3) 手配・契約・支払いを一元化する。これにより、コンプライアンスとコスト管理、担当者の負担軽減を同時に実現できます。
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